「しげちゃん、ドライヴ行くばい、、、ドライヴ」
そして車は 走り出す。あの海に落ちる夕日を見るために、、。
1980年、福岡。真夏の暑い夜。しげお、向井、香月、長崎、竜彦の5人は、学校のはずれの部室で秋の文化祭で上映するホラー映画を撮影していた。そこで彼らが体験する不思議な出来事とは?

2021年、日本中が、ゾンビパニックに見舞われる。
東京で暮らす向井と竜彦、地元に残ったしげお、香月、長崎、かつての仲間たちにも運命の時が迫っていた。

夏の終わり。帰郷した向井は、しげおの家を訪ねる。友の願いを叶えるため、青春に終わりを告げるために。
劇団☆新感線 主宰 / 演出家 いのうえひでのり
 傑作だと思いますネ、コレは!イリポン。ゾンビもののフォーマットを持ちながらの70年代後半、ティーンエイジャーだった北九州のボンクラボーイズ達の青春の終焉の物語。いやあ泣けます。馬鹿なボンクラ達に、「あー、あるある」と共感しつつ、ゲラゲラ笑っちゃいます。しかもちゃんとゾンビもののスリリングさや不気味さも押さえてある。イリポンの、ゾンビ愛・映画愛・芝居愛・ロック愛・地元愛、そして人間愛に溢れたまさに渾身の作品だと思いました。

 これは、イリポンの『グレート一人芝居』の中で、たびたび上演され続けてきた泣ける名作として評判の『帰郷』を、登場人物・エピソードを膨らませ、いわゆるお芝居(一人芝居じゃなくて)として立ち上げたモノ。一人芝居の時から、映像的だなぁとは思っていましたけど、この新しいバージョンで益々映画を感じさせる台本だと思いました。今回の上演も楽しみですが、いつかコレ、映像作品として見てみたい。そんな気持ちになる作品でした。

 いやあ、でも参加したかったですネェ、正直言って。あれは『レッツゴー!忍法帖』の後だったから、もう十数年前だと思いますが、イリポンから「福岡県出身の演劇人を集めてゾンビものの芝居をやりたい」と、「いのうえさんもやりませんか?」と声をかけて頂いた事があるんですよ。あれから十数年経って、こうやってちゃんと企画が生きていて、公演されるってホント凄い事ですよ。イリポンの執念というか、お芝居に対する熱い思いに改めて拍手を送ります。

でも、やっぱ、これはイリポン演出の方が絶対正解だと思うしなあ。参加できていたとしても演助とか?でも、色々せからしい役者ばっかりやし、まぁ、客で良かったのか。ウン。

 とにかく、この冬、もっとも楽しみなお芝居であることは間違いありません。

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